スマホの電卓はデフォルトアプリではなく「関数電卓」を

私があたりまえに使っているアプリでも、よく「なんでそんなものを使っているの?」と訊かれるものがあります。
そうしたツールのひとつを紹介します。

職業がら、思考トレーニングとして、目についたビジネスの損益分岐点を見積もることがあります。
たとえば床屋で髪を切ってもらいながら、

  • 家賃はいくらだろう
  • 給与水準はどのくらいだろう
  • 変動費はせいぜいシャンプーくらいかな

といったことを考えて、客単価が1500円だったらスタッフ一人あたり月300人くらい来れば十分なのかな、などと計算するわけです。

計算をする場面は、トレーニングに限らず、ビジネスでも日常でも頻繁に訪れます。
予算作成とか原価計算といったことなら表計算ソフトを使うでしょうが、

  • 顧客に希望された単価で取引したら粗利はいくらになるのか
  • 備品はどのお店のどの商品を買うのが費用対効果が高いか
  • 期限に間に合うためにはどのような業務工程を組むべきなのか

といったことをとっさに計算したい場面はよくあります。
こういうとき、多くのかたはスマートフォンにもともと入っている電卓アプリを使うと思います。

それでもいいのですが、もし使ったことがなければ、
「関数電卓」
を使ってみてください。

関数電卓を使ったことがないというかたは多いかもしれません。
sinとかlogとかのボタンを見て、「そんな記号を使うことはない」と思うかもしれません。
それでも関数電卓がおすすめなのは、ミスを大幅に減らせるからです。

ふつうの電卓では、画面に一つの値だけしか表示できません。
+や×といったボタンを押すと、その瞬間に計算がされます。
だから、ふつうの電卓を使っていると、「ちゃんと+を押したかな?」とか「178」と打つべきところを「187」と打った気がするといったような不安が出てきて、もう一度計算しなおすことがよくあります。

しかし関数電卓なら、計算式をひととおり作成したうえで=を押して初めて計算がされます。
計算式には、+や×などを複数含めることが可能です。
また、()も使えます。

ふつうの電卓なら、たとえば飲み会の合計額が18,800円で、飲まなかった2人は2,000円ずつ、残りを飲んだ4人で割り勘する、といった場面では、以下のように計算すると思います。

まず、18,800から、飲まなかった2人分の4,000円(2,000円/人×2人)を引く。
18,800-4,000=14,800
次に、この14,800円を飲んだ4人で割る。
14,800÷4=3,700
このように計算するとき、画面上に「18,800」「4,000」「14,800」「4」という数字が順番に出てきて、その前の数字は消えてしまうので、「ここまでの計算は合っていたかな?」と心配になるかもしれません。
また、飲まなかった2人分は暗算で2,000×2=4,000と計算しました。
これは簡単な計算ですが、もっと数字が細かかったり人数が多かったりすると、この部分も電卓を使うことになり、計算がまた少し複雑になります。

一方で、関数電卓だと、
(18,800-2,000×2)÷4
といったように、()をつけたうえで式の全体をつくることができます。
また、「=」を押して計算しても、
(18,800-2,000×2)÷4=3,700
のように、もともとの式が残ります。

これでもし、たとえば「飲んだ人と飲んでいない人の差額がちょっと大きすぎるから、飲んでいない人は2,500円にしよう」と考えた場合は、もともとの式を直接いじって
(18,800-2,500×2)÷4
と3タップ(0の右をタップ→バックスペース→5を入力)するだけで修正し、
(18,800-2,500×2)÷4=3,450
と、あとは=をタップするだけで計算できます。

まとめると、関数電卓には、高度な機能を使わなくても

  • 計算式に間違いがないことを確認できる
  • ふつうの電卓のように計算の順番に気をつけなくてもいい

といったメリットがあります。

  • 商談相手が提示した条件でどのくらいの利益が残るかを計算したいとき
  • まとめ買い割引などがあるときにどれを買うのがお得なのかを計算したいとき
  • 買い物かごにいま入っているものが合計いくらくらいなのかを確認したいとき

など、多少ややこしい計算をするときにはとくに効果を発揮します。
関数電卓のほうが、ふつうの電卓に比べると絶対に時短になります。
ぜひ、何かしらアプリをインストールして試してみてください。

なお、私はPanecalというアプリを使っています。
シンプルな関数電卓で操作性がよく、おすすめです。
https://appsys.jp/cms/panecal-ja

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