「またその話か」と思われないために:比喩を使いこなせば同じ内容も新しく響く

昨日まで、比喩に二つの機能があることを書きました。
比喩は、何か別のものになぞらえることで、ものごとを正確に伝えることができる。
比喩は、ものごとと、別のものごとを、これまでになかった形で結びつけることで、新しい発想を生む。

比喩には、ほかにも強みがあります。
その一つが、あるひとつのものごとを、様々な仕方で伝えられること。

伝えることは、どのような人にとっても非常に重要なスキルです。
伝える場面は、一回限りのことも多いでしょうが、繰り返しが必要な場合もあります。

たとえば、経営者やリーダーが、部下に事業方針などを語るとき。
仲間に対して共有すべき情報は多岐にわたりますし、一つひとつのことを深く理解してもらう必要があります。

このとき、比喩が力を発揮します。
「河童の川流れ」や「弘法も筆の誤り」といったように、比喩は、同じものを複数の異なる仕方で表現できます。
これを活かして、同じ相手に語る場合に、その都度違うたとえを用意しておけば、「また同じ話か」と思われることがありませんし、理解も深まるでしょう。

同じことを何度も語ることは、理解を得るために必須です。
しかし、毎回同じように語ると、人はなかなか真剣に聴いてくれません。
そこで、同じ話を違う仕方で伝える。
そのために比喩を使うわけです。

はじめは少し大変かもしれませんが、人に伝える場面のたびに、比喩を考えてみてはいかがでしょうか。

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