アンケートは重要な分析手法ですが、集計に時間がかかることがあります。
グーグルフォームなどを使って最初から電子データとして回答してもらえれば集計の手間はゼロですが、何かしらの事情があって手書きのアンケート用紙を使わざるをえないことはあります。
そうした場合にも、ChatGPTが活躍してくれます。
私がとっている手段を紹介します。
準備
用意するものは以下の2種類です。
- アンケート回答の画像データ
- 集計用のエクセルフォーマット
当然ですが、アンケート回答用紙をスキャンもしくは写真撮影したものが必須です。
ふつうにスキャンをするとpdfになるかもしれませんが、手書きの文字をスキャンしたpdfファイルはChatGPTに添付できないことがあるので、jpgなどの画像にします。
iLovePDFなどのサービスを用いれば、pdfファイルをjpgファイルにすることができます。
https://www.ilovepdf.com/ja/pdf_to_jpg
集計用のエクセルフォーマットは、極力シンプルな形がいいです。
人がエクセルファイルを編集する場合は1行目やA列を空けておくことが多いですが、これをするとChatGPTが少し混乱してしまうかもしれません。
上部の行を空けず、項目名は1行目に書いたほうが、ChatGPTがすんなりと理解してくれて作業スピードが多少早くなります。
以下のような感じです。
プロンプト
私が使用しているプロンプトは以下のようなものです。
適宜アレンジを加えて使用してみてください。
# 指示
以降のメッセージでユーザーが送るjpgファイルの情報を読み取って、添付のエクセルファイル「アンケート集計」に反映し、更新したエクセルファイルをダウンロードできるようにしてください。
# 背景および目的
私は経営コンサルタントとして***のコンサルティングを依頼されています。
jpgファイルは***に対して行ったアンケートへの回答で、この回答情報を電子化することで集計および分析を行いたいです。
# 説明
エクセルファイルにはアンケートの質問および選択肢が1行目に入力されています。
また、2行目はサンプルとして、本メッセージに添付したアンケート回答の最初の1枚の情報を反映していますので、2行目とこの画像を照らし合わせて入力方法を理解してください。
選択式の質問に関しては、番号等にチェックがされていたら、その選択肢のセルに「1」を入力してください。
自由回答の質問に関しては、手書きの文字からOCRにてテキストを入力してください。
このプロンプトにて集計を指示すると、かなりの精度でChatGPTが集計をしてくれます。
自由記述回答の手書き文字も、よほど雑なものでない限り、正しく認識してくれます。
ChatGPTのモデル
ChatGPTには複数のモデルがありますが、こうした集計作業には、私はGPT o3を用いています。
推論にかなり時間をかけるので1枚処理するのに数分かかることもありますが、ChatGPTが処理する間に別の仕事ができるので、締め切りが迫っているのでない限りは問題ありません。
o3以外のモデルでもできますが、手戻りを減らすためにも、利用できる一番高性能なモデルを使用することをお勧めします。
なお、o3がステップを踏んで画像認識をする様子は、見ていてなかなか面白いです。
以下の画像のように(ボカシを入れていますが)、アンケート用紙をいくつかの部分に分けて、部分ごとに回答者がどのような回答をしているのかを順番に分析しています。

こうしたChatGPTの画像認識機能は、アンケートの集計に限らず、いろいろな活用方法があるはずです。
ご自身の業務で使えないか、考えてみてはいかがでしょうか。