農家・農業法人こそ輸出先国と直接取引すべき!

「輸出」に憧れをおもちの経営者は多いようですが、実践するのはごく一部です。
でも、20年前と比べて、輸出のハードルははるかに低くなっています。
昨今のテクノロジーを使えば、明治時代の人たちにできたことがあなたにできないわけはありません。

海外に商品を輸出する際には、いくつかのバリエーションがあります。
この記事ではその概略をお伝えしたうえで、ぜひ、輸出先国の代理店などと直接取引するスタイルの輸出を検討してみてほしいと思っています。

輸出商社を通す

まず、日本側で輸出商社を通すかどうかで大きく分かれます。
輸出商社を通す場合は、商品が最終的に海外に行くとはいえ、あなたの仕事としては物を輸出業者が指定する国内の地点まで運ぶところまでで、請求と支払いも国内の商社との間で完結します。
これは国内のビジネスとほとんど変わりません。
ハードルは非常に低いですが、輸出先の実需者との間に仲介者が多くなり、マージンの点であまりメリットがありません。

輸出商社を通さない場合

輸出商社を介さない場合は、以下の二つのパターンに分かれます。

輸入代理店への輸出

まず、輸入代理店に販売する場合。
この場合は、専門の代理店が輸出先国での販売を代行します。

これは、大量販売が必要な商品や低単価の商品に適しています。
たとえば、工業用の部品など、多数の専門業者が購入し、できるだけ多くの実需者に届けたい場合に適しています。
農業の場合も、少量だとなかなか利益が生まれないので、基本的にはこの方法になるはずです。

プラットフォームによる販売

もう一つは、消費者や実需者に直接販売する場合。
これは高単価が見込める商品に適しています。
たとえば、工芸品や美術品など、ターゲットを絞った販売が可能な商品に向いています。
大量に輸出することが難しい商品でも、直接販売することで高付加価値を得ることができます。

Amazonのようなプラットフォームは、輸入代理店と直接販売の中間的な性格を持っています。
手数料がかかるものの、最終消費者に販売できるため高単価が期待でき、リスクが小さいため、輸出の入口としてちょうどよい選択肢です。
農業の場合、農産物は単価が低いですし鮮度の問題があるので、この方法で売上・利益を確保するのは至難の業ですが、加工品は不可能ではありません。
間にAmazon等でも販売している輸入代理店を介して販売するのが現実的な動きかたになります。

海外の大規模農業法人は輸出商社を通さないのが当たりまえ

さて、私は以前種苗メーカーの海外営業の仕事をしていました。
そのなかでは海外の大規模な農業法人の経営者や販売責任者とやり取りする機会が多くありました。
日本人は農産物は輸出商品というイメージをあまりもたないかもしれませんが、アメリカやEU諸国のような農業国にとって、農業は重要な輸出産業です。
私は南米やオーストラリア・ニュージーランドによく行っていましたが、とくにオーストラリア・ニュージーランドの大規模法人は日本も含め海外によく足を運び、商談をしています。
「誰かに輸出してもらおう」という発想では、競争に勝つことができないのです。

日本は、人口に対して農業生産力が小さいので、農家・農業法人は国内の市場だけでも十分に成り立ちます。
しかし、海外で日本食に対する関心がますます高まる中、日本の食材を海外に輸出することには、個々の生産者にとって、非常に大きなポテンシャルがあるはずです。

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この記事を書いた人

福井を拠点にオンライン・対面にて全国の農業経営者を支援している、経営コンサルティング会社「一茎」の代表です。
一茎のウェブサイトおよびメールマガジンでは、経営改善や効率化のためのちょっとしたポイントなどを発信しています。

【経歴】
東京大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程修了(学術修士)。
外資系種苗メーカーの海外営業エリアセールスマネージャー、経営コンサルティング会社のコンサルタント/マネージャーを経て、一茎を設立。
主要な支援領域はファイナンス(経営分析・財務管理)、デジタル、マーケティング。
中小企業診断士。ITコーディネータ。