スペックシートとは?
「スペックシート」というものをご存知でしょうか。
とくに工業製品の世界でよく使われるもので、最近はIT業界でも耳にすることがあります。
ざっくり言うと、スペックシートというのは製品についての詳細(specifications)を説明するものです。
決まったフォーマットがあるわけではありませんが、以下の画像のようなものです。
なお、この画像はAIに生成してもらったものなので、少し変なところがありますが、どんなものなのかが分かっていただけると思います。
海外への営業にはスペックシートは必須
海外との取引においては、よく顧客から「スペックシートを送ってくれ」といった要望を受けることがあります。
顧客に直接商品を見せることができれば一番よいのでしょうが、海外との取引となるとそうはいきません。
サンプルを送るにも、単価が安くて小さいものならまだしも、たとえば加工機械のような一つひとつが高価なものをサンプルとして送るわけにはいきません。
サンプルとして送れるものであったとしても、海外への発送は面倒ですし、顧客としてもサンプルをもらうという借りはあまりつくりたくないでしょう。
顧客としては、関心をもっているその製品が「そもそも検討に値するものなのかどうか」をまずは確認し、検討に値するということがわかれば次のステップに進むというのが一般的な動き方です。
この目的のために、製品の詳細が説明されたスペックシートが役に立つわけです。
スペックシートを提供したからといって必ず次のステップに進めるわけではありませんが、スペックシートがないとそもそも顧客に検討してもらえない可能性があります。
ですから、輸出を検討しているのなら、まずは簡単なものでも構わないのでとりあえずスペックシートをつくってみるとよいでしょう。
スペックシートをつくるステップ
このスペックシートをつくる上で、
- どのような項目を記載するべきか
- どのように英語(もしくは顧客の言語)に翻訳するか
ということが課題になります。
同業他社のスペックシートを探す
記載する内容は業界によっても製品によっても大きく異なります。
どのような情報を載せるべきかを知るには、ネットで海外の同業者が作成しているスペックシートの情報を探してみればよいです。
たとえば椅子なら、「chair spec sheet」とグーグルで画像検索をしてみるわけです。
スペックシートは販売促進用のチラシとは違うので、あまりデザインにこだわる必要はありません(もちろん製品の種類によってはデザインにこだわった商品資料もあったほうがよいですが)。
デザインにこだわるよりも、顧客にとって見やすく、他社の製品と比較しやすいことが大事なので、他社が作成しているものと同様のフォーマットを使用するのが効率的です。
ChatGPTに翻訳してもらう
内容をいかに翻訳するかということですが、これについては今時ChatGPTなどの生成AIがかなりの部分を助けてくれます。
たとえば以下のようなプロンプトをChatGPTに投げかければ、日本語でつくったスペックシートの文章を英語にしてもらえます。
以下の日本語のスペックシートを英語に翻訳してください。
技術用語や専門用語は可能な限り正確に翻訳してください。
読みやすく自然で簡潔な英語にしてください。
(日本語のスペックシートの内容を転記)
スペックシートがたくさんある場合は、GPTsをつくってもよいでしょう。
社内に英語が得意な人がいれば、一度翻訳の内容を確認するべきですが、難しければこの部分だけでも外注するとよいでしょう。
仮に社内に英語が得意な人がいるとしても、文章を逐一人力で英訳していくよりは、一度ChatGPTで翻訳を完了してしまって、気になるところだけ修正するという流れの方がよほど効率的です。
このようなプロセスでスペックシートを作成したら、自社のウェブサイトにダウンロードできる形で置いておくことはもちろん、商談会などに印刷して持参したり、あるいはネットで見つけた顧客候補にこちらから資料を提供して営業を仕掛けるといった使い方ができます。
英語があまり得意でなくても、資料をしっかり用意しておけば、海外との取引は何とかなるものです。
ここにほんの少しだけ時間とお金を投資してみてはいかがでしょうか。