事業に悩んだら「メタファー」に頼ってみる

仕事をするうえで「アイディアが思い浮かばない」「もっと面白くするにはどうすればいいだろうか」と迷った経験は、誰しもおもちだと思います。
こんなときに活躍する(かもしれない)のが「メタファー」です。

メタファー=暗喩ってなに?

メタファーというのは、直訳すると「暗喩」のこと。
比喩にはいろいろな種類がありますが、「彼女は鬼のように怒っている」という「直喩」に対して、「彼女は鬼だ」といった形式で、「~のように/~のような」というたとえであることを示す記号を使わないのが暗喩です。

「アイディアとは既存のものと既存のものの新しい結びつきである」ということがよく言われます。
二つ以上のものを組み合わせることは、発想の基本。

メタファーには先ほどの「鬼」のようなありふれたものもありますが、はじめて見るメタファーは、「これはどういうことなのだろう」と読者に考えさせます。
そして、すぐれたメタファーは、読者に対して、「なるほど、これまではこの言葉とこの言葉を結び付けて考えたことはなかったけれど、言われてみれば確かに近いものがある」という発見を促すものです。

そこで、このような発見を人工的に無理やりやってみようというのが、この記事の趣旨です。

メタファーを発想に活用する

少し試してみましょう。
「自身の仕事を表す言葉」に「それを形容するためのランダムに選んだ言葉」を組み合わせてみてください。

たとえば、「経営」という言葉。

経営者や経営幹部であれば、経営には常日頃から意識し取り組んでいることだと思います。
これに、何か別の言葉を組み合わせてみる。
「机」とか「自動車」とか「植木鉢」といった名詞でも、「大きい」とか「軽やかな」とか「真っ赤な」といった形容詞でも、なんでも構いません。

たとえば「植木鉢経営」。

なんだかよく分かりませんが、この言葉が何を表しているだろうかと考えてみる(こじつけてみる)と、経営のかたちが想像できてくるかもしれません。

たとえば、植木鉢に植えられた木は、大きくなることはできませんが、大事に育てられるものです。
そのように、規模拡大・売上拡大を目指すのではなく、特定の領域にしっかりと根を張って健全かつ健康に持続する経営を、植木鉢経営と呼ぶ。

あるいは、植木鉢の木は、持ち運ぶことができます。
本来ならその種の植物が存在しない土地に、ある程度の大きさまで育った植物を持ち込むように、別の国や地域のモノやコトをオリジナルに近い形で自身の商圏に持ち込む経営を、植木鉢経営と呼ぶ(これは、タイムマシンというモデルですが)。

このように、自身の営みを、さまざまな言葉と組み合わせてその意味を問うてみると、新しい発見があるかもしれません。

私はこれを勝手に「メタファー経営」と呼んでいます。

いろいろなものをメタファーとして経営に結び付けてみると、ふだんは考えないような発想が生まれます。

私の経営のメタファーは「地図づくり」です。
地図というのは偉大な発明で、地図をうまく読むことができれば、初めて訪れる土地であってもあたかもその土地で生まれ育ったかのようなルートを選択することができます(グーグルマップはときどき「本当に車で通れるのか?」と不安にさせる、地元の人しか知らないような道を案内してくれます)。

経営や、あるいはもっと広く人生において、人が自分自身の目的や理想に向かうための地図をつくるお手伝いができればと思っています。

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この記事を書いた人

福井を拠点にオンライン・対面にて全国の農業経営者を支援している、経営コンサルティング会社「一茎」の代表です。
一茎のウェブサイトおよびメールマガジンでは、経営改善や効率化のためのちょっとしたポイントなどを発信しています。

【経歴】
東京大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程修了(学術修士)。
外資系種苗メーカーの海外営業エリアセールスマネージャー、経営コンサルティング会社のコンサルタント/マネージャーを経て、一茎を設立。
主要な支援領域はファイナンス(経営分析・財務管理)、デジタル、マーケティング。
中小企業診断士。ITコーディネータ。