2024年– date –
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経営コンサルタント&東大文学部出身者として選ぶ、2024年に読んだ本の私的トップ5
2024年に入ってから113冊の本を読みました。最初から最後まで読み通した本だけをカウントしていて、部分的に参照した本は含めていません(ただし、カウントした中には、一部を読み飛ばしたものも多少含まれています)。まだ今年は3日残っているので、年間... -
読み書きすることは考えること――社会人の教養の書としての『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』
今回は本の紹介です。阿部幸大の『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』。 アカデミック・ライティングとは、要は論文やレポートを書くことです。本書はいかに論文を効率的に書くか、根本的なところから体系的に解説するもので、多くの学生... -
原則のある人事制度をつくるために――組織の倫理観を見極める質問
前回、人事制度の基礎として能力主義、役割主義、成果主義の3つがあり、それぞれ倫理学の徳倫理学、義務論、功利主義との結びつきがある、ということを書きました。人事制度にかかわらず、会社として「何を価値と考えるのか」を明確にしておくことは、組織... -
その人事制度に主義はありますか?――人事制度に倫理学を応用して方針を定める
最近、ある場所でお話しした内容が意外に関心をもってもらえたので、ここに書いてみたいと思います。「人事制度の根本には倫理学的な主義があるべきだ」という考えについてです。 規範倫理学の3つの理論 倫理学には大きく分けて3つの階層があります。「メ... -
文化を売るためには顧客と自身の文化を知ること――志賀直邦『民藝の歴史』
9月に、富山県美術館で開催されていた「民藝展」を見ました。現在は名古屋市美術館で開催されていて、2025年2月からは福岡市博物館にて開催されます。和紙など自身の関心のある工芸に関しては柳宗悦や寿岳文章らの著作に目を通していたものの、民藝全般に... -
心を動かす言葉をもらう――ChatGPTによる名言引用
言葉の力は絶大です。ふとしたときに出会った言葉が、困難に直面したときに支えとなってくれることがあります。しかし、自身の置かれた状況に即した言葉に出会うのはなかなか難しいことです。大事なときに出会えば自分を支えてくれるような強い言葉でも、... -
町田ゼルビア黒田監督のこだわり
今日、日経電子版がスポンサーをしている「ビジネスリーダーズカンファレンス」というオンラインのセミナーを聞きました。その中で、町田ゼルビアの黒田監督が登壇されました。 私はサッカーにあまり興味がなく、どんなチームがあるのかすらよく知りません... -
手放しでChatGPTを活用する――Advanced Voice Modeのすすめ
次々に新しい機能をリリースするChatGPTに、また一つ強力なツールが追加されました。今回の追加機能は「Advanced Voice Mode」というもので、自然な会話を実現するモードです。最近、Plusユーザーであれば利用できるようになりました。 ChatGPTは以前から... -
価値を増やすことが経営の仕事――岩尾俊兵『世界は経営でできている』
最近、岩尾俊兵氏の『世界は経営でできている』という本を読みました。著者の岩尾俊兵氏は、今最も注目される若手経営学者の一人だと思います。 本書は、ビジネスに限らず人生にも経営を応用することで、人々の幸福に貢献しようとしています。軽妙な語り口... -
ChatGPTを活用して歴史に学ぶ――構造主義的分析GPT
歴史に学ぶために、具体的にどうする? 「歴史に学ぶ」ということは、よく言われます。私は大学院で科学史を研究していたので、歴史研究をすることの意義について考える場面がしばしばありましたが、この「歴史に学ぶ」というのは大変心強いメッセージでし... -
リスクをとるか、失敗をとるか――ゴールを描いたら一直線に進む
ゴールを描いたら、そのゴールまでできるだけ短期間でたどりつきたいものです。 たとえば試験を受けるのであれば一度で合格したいし、何かしらの役職につきたいなら次の機会をものにしたい。事業を立ち上げるとき、あるいは改善するときも、できるだけ早く... -
ChatGPTは学習の機会均等に貢献する救世主――ただし、活用しようとするならば
最近参加したある会合で、経営コンサルタントにとってChatGPTは脅威だという議論がなされました。たとえば、補助金の申請のようにフォーマットが決まっていて、求められるアウトプットがはっきりしている分野は、ChatGPTの得意領域であるため、コンサルタ...