目の前の仕事に「自分の人生にとっての意味」を見る――アウトライナーに人生を記録せよ

このブログでは、生産性を高めるためのツールとしてしばしばアウトライナーを取り上げています。
今回はその活用のコツとして、アウトライナーに「なんでも入れておく」ことを推奨したいと思います。

目次

アウトライナーに人生の全部を入力する

私はアウトライナー(WorkFlowy)に、仕事のことであろうとプライベートのことであろうと、テキストとして入力できるものであればできるかぎり多くの情報を記録しています。
仕事の計画やタスクはもちろん、プライベートの予定や、読んだ本の記録など、すべてをです。
そうすると、自分がいま取り組んでいることが、人生の中でどのように位置づけられるのか、どのような意味をもつのかを意識することができます。

たとえば、ある農業経営者Aさんから、財務分析の依頼を受けたとします。
アウトライナーには、「仕事」のノードの中に「経営相談」のノードがあり、その中にAさんへの支援のノードがある。
そこに、その業務を追加します。

  • 仕事
    • 経営相談
      • Aさん
        • 商品開発
        • 販路開拓
        • 財務分析
      • Bさん
        • 財務分析
        • 事業計画作成
    • セミナー
      • 経営管理セミナー
      • 財務分析セミナー
    • 事業計画
  • 日々の記録
  • インプット
  • 将来の計画

このとき、その財務分析の依頼以外にも、Aさんとのコミュニケーションの中で生じたさまざまな依頼内容が同時に目に入ってきます。
すると、「財務分析をするうえで、Aさんの事業にどんな出来事があったか、以前聴いて記録しておいた話を確認しておこう」といったように、仕事の質を高めるための情報を得られるかもしれません。
また、Aさん以外のクライアントの名前も目に入ってくるので、他のクライアントに対して過去に実施した財務分析の手法がヒントとして記憶によみがえってくるかもしれません。
あるいは、経営相談対応以外の事業のノードも目に入るので、たとえば以前にセミナーで紹介した手法をAさんからの依頼対応に応用してみようといった着想を得られるかもしれません。

さらに、仕事のノードと同列に、日々の記録とか、インプットとか、将来の計画についてのノードも目に入ってきます。
Aさんの財務分析という一つの仕事が、自分の人生の全体の中に位置づけられ、その仕事が私の人生の中でどのような意味をもつのかを再確認することで、仕事への向き合いかたにもよい影響があるでしょう。

意味はより大きなもののうちに位置づけられて生まれる

細部を理解するためには、それが全体の中でどのような意味をもつのかを考えなければなりません。
逆に言えば、細部の意味は、より大きなものの中に位置づけられてはじめて生まれるものです。

理科って何?

新しいことを学ぶ上でも、全体の中での意味づけは大事です。
たとえば、中学校の理科を思い出してみてください。
私は中学一年生の最初の理科の授業として、ツツジの花を分解し観察するという経験をしました。
それから、たとえば炭酸水素ナトリウムを加熱したりとか、太陽と地球と月の位置関係から月がどのように見えるかとか、動滑車を使えば小さい力でものを持ち上げることができる、といったことを学んでいきます。

このそれぞれを学んでいるとき、私はなぜそれを学ばねばならないのかと、不満でした。
少し前まで花の分解をしていたのに、気が付くと実験室で薬品を混ぜ合わせている。
そこに何の関連があるのか分かりませんでした。

受験勉強の功罪はいろいろと言われますが、私にとって受験勉強がよかったと思うのは、花の分解と薬品の混合には大した関連はない、ということを知れたことです。
受験の参考書には、理科という科目が大きく生物学と化学と地学と物理学に分けられていました。
教科書ももちろん同じように分類されていたのですが、中学一年生の教科書には中学一年生で学ぶ科目しか記載されていません。

中学校で学ぶ理科は大きく生物学と化学と地学と物理学に分けられる。
花の分解という生物学と、薬品の混合という化学には、同じ理科という枠組みの中でも直接の関係はない。
しかし、世界がどのように成り立っているのかを理解しようという努力だということや、実験や観察といった手法において、生物学と化学には共通の土台がある。

人生の見取り図としてのアウトライナー

こうした見取り図をもち、自身が学んでいることの意味づけができれば、それに対して自分がどのような態度をとるべきかも決まります。
自分の人生において重要な意味をもつのであれば、全力で取り組む。
そうでなければ、もっと大事なことに時間をつかうほうがよい。

「何のためにやっているのか」と疑問をもったら、一歩引いて、全体を眺めてみてください。
アウトライナーは、そのための強力なツールです。

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この記事を書いた人

福井を拠点にオンライン・対面にて全国の農業経営者を支援している、経営コンサルティング会社「一茎」の代表です。
一茎のウェブサイトおよびメールマガジンでは、経営改善や効率化のためのちょっとしたポイントなどを発信しています。

【経歴】
東京大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程修了(学術修士)。
外資系種苗メーカーの海外営業エリアセールスマネージャー、経営コンサルティング会社のコンサルタント/マネージャーを経て、一茎を設立。
主要な支援領域はファイナンス(経営分析・財務管理)、デジタル、マーケティング。
中小企業診断士。ITコーディネータ。

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